僕は今、ハーレーに乗ってる。
でも、ハーレーというオートバイが好きなわけではない。
これまで日本の大型バイクを何台か乗り継いできたが、それに比べると
曲がらない、止らない、スピードが出ない・・・・
”速くなければオートバイじゃない!!” そんな考えを持っていた僕には
慣れるまでは、かなりのストレスが溜まった。
じゃあ、何でハーレーなのか!?
確かに一度は乗ってみたいオートバイでもあったし、憧れもあった。
しかし一番の決め手となったのは、息子をオートバイに乗せたいと思ったからだ。
息子が楽に乗れ、二人乗りが楽しめるオートバイとして選んだのがハーレーだった。
実際に購入し、妻や息子を乗せて走っていると
確かにハーレーでのタンデムは楽しめる。
日本車の時のように、馬鹿みたいなスピードを出す事もないし
コーナーでの限界も高くない。
一人で乗っていても無理をすることもなく
ユッタリとノンビリと、心に余裕を持ってオートバイに乗ることも憶えた。
日本車に乗っていた時の
”覚醒し研ぎ澄まされた感覚の中で、シールド越しに一瞬で流れ去る風景” が
恋しくなることもある。
でも今は、息子と楽しむ事を選びたい。
ところが、このハーレーダビッドソンというオートバイ。
購入して6年が経つが、2年に一度は調子が悪くなりエンジンを降ろす始末。
金がかかって仕方がない。
そんな時、息子に 『オートバイ、買い換えようかな・・・』 と言うと
『駄目だよ!僕、このオートバイ好きだもん!!』 と言う。
先日も、息子に 『大きくなったら、オートバイ乗るの?』 と聞くと
『うん乗るよ!!今、お父さんが乗ってるオートバイ^^』 との答え・・・
う?ん・・・それまでハーレーに乗ってるかなぁ・・・・
何故かは分からないが、この ハーレーダビッドソンFXDWG。
息子にとっては、相当のお気に入りらしい。
僕は、息子をオートバイに乗せることも教育の一環だと思っている。
僕の父親は
『事故を起したらどうする。他人を傷つけたらどうする。未成年のうちは全部親の責任だ。
だからオートバイは許さない!』 と、オートバイに乗ることは許してくれなかった。
でもその頃は無免許でも乗るわけで、どうどうとは乗れなかったが
こそこそとは乗っていた。
その代わり18歳になると、すぐに車の免許を取らせてくれた。
中古の車を買い乗り回していたが、20歳を過ぎる頃には
やっぱりオートバイにも乗りたいと思った。
未成年ではなくなった僕は、すぐに中免を取り、23,4歳の時には限定解除もした。
剥き出しの身体に風を受け、夏は暑くて冬は寒い。
雨が降れば濡れ、転べば怪我をする。
決して安全な乗り物ではない。
でも、決して危険な乗り物でもないのだ。
オートバイは、安全と危険のちょうど中間にあり、どちらに行くかは乗り手次第だ。
すぐ隣に危険があると認識して自制する心を持つことが、僕は大切だと思っている。
オートバイに乗って自制するのは、確かに難しいことだと感じる。
でも、それさえ身につければ決して危険な乗り物ではないし
これほど素晴らしい乗り物もない。
危険だから乗せないのではなくて、危険があるなら
どうすればいいのかを考えるほうが大切であり
自制心を自分でコントロールできるようになることが
オートバイという乗り物にはあると思う。
息子はオートバイが大好きで 『オートバイで、どっか行こう^^』 とせがんでくる。
今の息子は、僕の後ろに乗ることが、ただただ楽しいだけなのだと思う。
でも、少しずつでいいから、そんな感覚を身につけて欲しい。
オートバイに乗ること。
オートバイをコントロールすること。
オートバイで旅をすること。
オートバイを楽しむことは
本当に素晴らしいことだと、僕は思っているから。